ニュージーランドのイクメン事情

こんにちは、Tomokoです :)  ニュージーランドは朝晩に冷え込むようになり、秋がすぐそこにやってきている感じです。 今日はママさん情報から離れて、ニュージーランドのイクメン事情について少し書いてみたいと思います。

ニュージーランドでは “子育てに積極的に関わろうとする男性” は当たり前の存在なので 「イクメン」 という言葉はなく、家事に協力的な夫を 「キウィ・ハズバンド」 と呼びます。 キウィはユニークな生態をもつニュージーランドの国鳥で、母鳥の体重の4文の1もある巨大な卵を産むとメスは巣穴から出て行ってしまいます。そこで巨大な卵を孵化させるためにオスが2ヶ月半もの卵を温め続けることから、英語で「キウイ・ハズバンド」と言えば、家事や子育てをこなすニュージーランド人のお父さんのことを意味します。

子供のお弁当の準備、夕食後のお皿洗いから洗濯、掃除。 スーパーマーケットでは赤ちゃんを抱っこして、奥さんに渡されたであろうメモを片手に買い物をし、公園では汗だくになり子供たちと遊び、週末になるとお父さんと子供たちだけで出かけている様子が頻繁にみられます。 安全上の理由で 学校の送り迎えは徒歩または車で親が送迎をするのが一般的で、ここでも「また後でね。愛してるよ。」 という感じでしっかりハグとキスをして会社に向かう微笑ましいパパさんたちの姿が沢山見られます。 また学校行事や部活のコーチ、マネージャーにも積極的に参加します。 人にもよりますが、子どもや妻が一緒に行こうというのなら、仕事よりもそちらを優先させるのがニュージーランドの男性で 「妻が幸せなら人生はハッピーだ。」 という言葉をよく耳にします。 妻に言われたら優先させざるを得ない、というのが本音かもしれませんね : )

     

それでは、ニュージーランドで楽なママさん生活を送れるか?といえばそうではありません。
日本と比べてニュージーランドでは仕事と子育ての両立の基盤が比較的整っているため、共働きが多く、また女性管理職の割合38.9%~50%超とかなり高く、母親が家計を支える大黒柱になっているケースもかなりあります。私の周りでは、「僕より稼ぎがいいから」「自分の仕事の方が数年の休職後でもキャリアに影響がないので」「子供の為、家でできる仕事に転職した。」など子育てが落ち着くまで専業主夫をしているというお父さんが結構います。「女は子育て、男は仕事」のように性別にしばられず、キャリア、出産、子育てを共有していく、という考え方が一般的なようです。

日本では2010年の「イクメンブーム」到来により子育てに積極的な男性が増えたイメージがありますよね。私も数年ぶりに日本へ帰国した時、スーツ姿で自転車に子供を乗せ保育園に送り迎えしているお父さんたちを結構見かけて「つい最近まではあまり見なかった光景だなぁ。」なんて思いました。 男性育児休業取得率も年々増えつつあり、厚労省は「子育て中の働き方の見直し」や「父親も子育てできる働き方の実現」といった改正点を新たな育児・介護休業法に盛り込むことで、男性の育児休暇取得率を2017年度には10%、2020年度には13%に引き上げることを目標としているようです。 男性が育児休暇を取ることにより、約7割の女性が出産後に退職するなど低い水準の女性の継続就業率を高める効果も期待できるそうです。

世代が代わり、男性も育児に参加しやすい体制の会社や女性の社会参加が増えて、子供を取り巻く環境や家族のあり方が変わるにつれ、いつの日か“イクメン”という言葉自体がなくなっていく社会になっていくとよいですね。

(子供を作るのを手伝った人じゃなくて、子供を育てた人がお父さんって呼ばれるんだ。)

 


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