2011年9月19日 月曜日
今日は観光どころではなかった1日になりました。
ウィーンを出る直前、カメラの充電器が突然、充電できなくなりました。
カメラの電池を3つ持っているので、今日までカメラを使うことはできていたのですが、明日からの電池がないので、朝から大きなショッピングセンターに行って充電器を買うことにしました。
ちなみに私のカメラはSonyのα NEX-5です。
まずは、宿から歩いて約20分。
町の西端にある、Mall of Sofia という新しくて大きなショッピングセンターに行ってみました。
私と同じカメラを置いていますが、充電器を取り扱っていないということで、
町の中心近くにあるTzumというショッピングセンターの中に入っているソニー・センターを教えてもらい、そこに向かいました。
また20分ほど歩き、お巡りさんに最後どこにあるか尋ねて到着。
高級感漂うショッピングセンターTzum。
大きな道路の地下を通って道の反対側にわたりショッピングセンターに入りましたが、途中ガイドブックで見たような教会を発見。
これがペトカ地下教会でした。
このときは完全に充電器のことしか頭になく、写真だけ撮り、目指すはソニー・センター。
ショッピングセンターの一角に入っているソニー・センター。
ここでもカメラや電池はおいているのに、充電器を置いてないとのこと。
どうしようと、ちょっと落ち込んでいると、
店員さんが「違うところから持ってきてあげるよ。」と。
やったー!!!
取り寄せてもらってる間の30分間、ちょっぴりこのショッピングセンターの周りを観光。
セントラル・ハリ。
屋内マーケットです。
バーニャ・バシ・ジャーミヤ。
セントラル・ミネラル・バス。
30分経ったので、ショッピングセンターに戻ると、充電器が届いてました。
が・・・・。
充電器をよく見ると、コンセントにさすプラグがついていません。
壊れた私の持っている充電器は、充電器のソケットにプラグがついていて、直接コンセントにさすタイプ。
取り寄せてくれた充電器は、充電器にコードをさしてそのコードをコンセントにさすタイプ。
「コードはおいてる?」と、お店の人に聞くと、
「置いてない。。。」と言われ、
どこで買えるか尋ねると、
「どこの電気屋さんでも買えるから、ここに行ってみて。」と、街中にある電気屋さんを教えてもらいました。
その電気屋さんは、私たちが観光したいところの近くにあるので、まずはこのショッピングセンターから教えてもらった電気屋さんと逆の方向にある、マーケットを見てから、電気屋さんに向かうことにしました。
これが、思いもしないことのきっかけになるなんて・・・
マーケットに向かう途中に見かけたシナゴーグ。
ステファン・スタンボロフ通りにあるジェンスキ・バザール。
通称レディース・マーケットというところにやってきました。
売られている野菜などを見ていると、1人のおばあちゃんに声をかけられましたような気がしました。
でも、ブルガリア語で言っているので何を言われてるのか、はたまた、私たちではない人に声をかけたのかすらも分かりません。
1度おばあちゃんのほうを振り向き、にこっとした後、またマーケットで売られている商品を眺めてました。
すると、kazuが「あのおばあちゃんずっとこっち見てるよ。」と。
その後、また同じおばあちゃんに声をかけられました。
今度は聞き間違いでも、他の人に向けてでもなく、私たちに何か言っています。
今回は、昨日ちょうどガイドブックで見た、「日本人」というブルガリアの単語らしき単語がが聞き取れました。
おばあちゃんに「うん。日本人だよ。」と、伝えると、とっても笑顔になり嬉しそう。
おばあちゃんは何かを私たちに伝えたいのですが、英語が話せず、私たちはブルガリア語がさっぱりなので、何をおばあちゃんがブルガリア語で言っているのかさっぱり・・・
それでも諦めないおばあちゃん。
「ブルガリア・エンバシー」という唯一聞き取れた単語と身振り手振りで、なんとか理解できたのが、↓
なんと、このおばあちゃん、1978年から1979年にかけて1年間日本のブルガリア大使館で働いていたそうです。
そして、日本人を見かけたので声をかけてきたみたいです。
私たちが推測するに、このおばあちゃんはここソフィアから少し離れたところに暮らしていて、街にあまり出てくる機会もなく、ソフィアにも日本人観光客もそんなに多くいないので、ここブルガリアで日本人を見たのは初めてだった、のかもしれません。
少し日本語を覚えているおばあちゃん。
覚えている日本語はブルガリア大使館の電話番号(笑)
そして、一緒に働いていた日本人の方の名前と、「わかります、わかりません」だけ。
マーケットの真ん中で、ほとんど共通語のない私たちの会話は20分ほど続き、おばあちゃんは私たちに自分の家に日本のものなどがあるから来てほしいと言うのです。
このおばあちゃんが怪しいとは思えませんが、旅の基本、“知らない人についていくのは危険”。
そして、今日の目標、充電器を買うというのが達成できていません。
おばあちゃんにはどうしても行かなければいけないところがあるからと、断りました。
すると、じゃあ後で来てねと、自分の住所を書いてくれました。
最後には熱い抱擁とキスをいくつもくれ、そして感極まって泣いてしまいました。
「行ってあげればよかったかな、あとで2人で行けるかな、でも充電器買わないと・・・、ソフィアも今日観光しないと時間ないし・・・。」
と、涙を拭きながらとぽとぽ去って行くおばあちゃんの後姿を見ながら2人で申し訳ない気持ちになっていました。
それでも、観光もしてないし、充電器買ってないしと理由を見つけて、マーケットを後にして、ソニー・センターで教えてもらった電気屋さんの方向に向かいだしました。
すると。
通りかかったバス停に、さっきのおばあちゃんがいるではないですか。
おばあちゃんも、私たちに気づき、近寄ってきます。
いいのか、悪いのか・・・。
パンを買ってくれ(笑)、おばあちゃんの乗るバスを一緒に待ってる間に、観光も充電器も何とかなるんじゃないか、これも一期一会と、おばあちゃんについておばあちゃんの家に行くことにしました。
海外旅行の基本、「知らない人にはついて行くな」の原則を破ってしまいました・・・(笑)
おばあちゃんとバスを乗り継ぎ、ソフィアの街から約4~50分離れた、郊外にある町?村?にやってきました。
バスを降りておばあちゃんについておばあちゃん家へ。
大きな家の周りを食べごろのブドウをぶら下げたブドウの木が取り囲み、建物の裏には家庭菜園がありました。
自分の実家に帰ったみたい。
おうちの中もかわいらしく、ヨーロッパのおばあちゃん家。といった雰囲気。
おばあちゃんは2階建ての大きな家に一人で住んでいるようです。
たんすの引き出しに大切にしまってある写真をたくさん見せてくれました。
おばあちゃんが日本にいたころの写真、着物を着ている写真、亡くなったご主人と写っている写真などなど。
中にはおばあちゃんの息子さんが日本に行った際、ブルガリア出身の相撲取り、琴欧洲と一緒に写っている写真もありました。
紺色の着物の人が若かりし頃の琴欧洲。
お昼ごはんを食べてなかった私たちのために、畑からとってきたトマトでサラダを作り、お昼ご飯を作ってくれました。
そして、おばあちゃん特製の自家用酒も♪
ブルガリアで食べるホステル以外の食事は、おばあちゃんの手料理が初めてでした。
優しい家庭的な味でとってもおいしく、畑から取り立てのトマトは本当に美味でした。
食後のデザートにと、私たちがお昼ごはんを食べている間に、家の前のブドウの木からブドウを幾房もとってきてくれました。
「もっと食べなさい。」と言われつつ、おなか一杯いただいた暖かい昼食でした。
食後は、おばあちゃんが大切に保存していた、日本に住んでいた時の、日本語を学んだ際に書き込んだノートを取り出し、1つ1つ日本語を読み上げてくれたり、さらに多くの写真を見せてくれたり、あとは一緒に働いた日本人の方とのやり取りの手紙を見せてくれたりして過ごしました。
32年前におばあちゃんが使った日本語のテキスト。
そうそう、おばあちゃんはこんなものも持ち帰って大切にとっていました。↓
広告です!テレビが・・・
こちらは衣類の広告。この当時の女性モデルさんの化粧が椿鬼奴みたい!(笑)
気づけばもう16時。
電気屋さんが閉まる前には街に帰らないと。
てっきり泊って行くのだろうと思っていたおばあちゃんに、「ごめんね、帰らなきゃ。」と、伝えました。
一瞬さみしそうな顔をしましたが、「じゃあ、ブドウ持っていきなさい。」と袋いっぱいにブドウを詰めてくれ、さらに自家製のお酒を1瓶、外に出て、トマトときゅうりを袋いっぱい持たせてくれました。
本当に実家に帰ったみたい。(笑)
バス停まで見送ってくれるおばあちゃんと会話はありませんでしたが、腕を組んで歩きました。
力のこもったハグとたくさんのキスをもらいバスに乗りこみました。
たった2時間くらい滞在した、おばあちゃん家。
久しぶりに“家庭”を味わえ幸せでした。
一緒に撮った写真をおばあちゃんに送らないと♪
おばあちゃん家からソフィアまでは・・・バスとトラムを乗り継ぎなんとか、戻ってこれました。
ちょっと重たい、おばあちゃんの愛情をいっぱい抱えて電気屋さんを目指します。
はい、まだ充電器のコードを買わなければいけません。
街の中心を歩きつつも、観光モードのスイッチを切ったまま、教えてもらった電気屋さんへ。
トラムを降りたところから約20分歩き、やっと着きました。
が・・・。
なんとなくお店の雰囲気がおかしい。
店員さんにソニー・センターで買った充電器を見せて、「この充電器に合うコードがほしい。」と伝えます。
すると、店員さんが、「ちょっと遅かった。数時間前まではあったのに。」と。
お店の中はなんだか商品棚から多くの商品がなくなっていて、そしてほかの店員さんたちは商品を箱の中にしまっている様子。
「閉店するの?」と尋ねると、「数日以内にね。」とのこと。
・・・ちょうど数時間前に私が捜しているコードを片付け、どこかに送り出してしまったとのこと。
え~~~~!!!???
「この先に違う電気屋さんがあるから」と、店の外まで出てきて教えてくれた店員さんにお礼を言い、言われた方向へ歩き出しました。
もうなんだかへとへと・・・。
電気屋さんから歩いて100メートルほどのところに、思いがけずソニーのお店が。
私たちが捜しているコードは大きなソニー・センターになかったので、この小さなお店にはあるはずはないだろうと、ダメもとでお店の中へ。
すると、コードはあるかと尋ねた店員さんが、「はい、無料であげます。」と私たちが捜していたコードをさしだしてくれました。
「え~~いいの!?」と驚きつつ、やっと見つかったことで安堵しました。
カメラの充電器探しで、1日ソフィアの町を西→北→郊外にちょっと寄り道→中心→南と歩き回り、最後にはいいことがありました♪
と、これで話は終わらないんです。
暗くなり始めたころ、やっとおうちに着き、さっそくやっと手に入った充電器を試してみます。
すると・・・充電できません。
もしかして・・・と、別の電池で試すと、充電できました。
・・・壊れていたのは充電器ではなく、3つのうちの1つの電池だったようです。
今日1日なんだんだったんだろう・・・と脱力しました。
まあ、そのおかげで素敵な出会いがあったのですが(笑)
と、またここでも終わらず、さらにオチはあるのでした。
次の日、たまたま壊れている電池を間違ってカメラにいれて、電源を付けました。
すると、カメラの端の電池残量を示す表示はなんと、、、
「100%」
・・・・・・・・・・・。
つまり、充電器が壊れていると思い、充電器を1日かけてさんざん探し回った挙句、壊れていたのは電池のほうだったという結果で終わりかと思いきや、何も壊れたものはなく、電池は充電いっぱいだったので、それ以上充電できなくなっていただけ。ということだったのです。
もう自分で自分が嫌に・・・
でも、素敵なおばあちゃんと出会えたから問題なし!(笑)