2011年10月4日 火曜日
ずっと気になっていた“白砂漠”。
カイロ南西に広がる西方砂漠。その砂漠の中に白砂漠と呼ばれる地域があります。
その白砂漠があるあたりをバハレイヤ・オアシスといい、そこに白砂漠や黒砂漠と呼ばれる少し変わった風景の砂漠が広がっているということなのです。
そんなことを宿のキッチンで話していると、私も行きたいという人を発見。
あれよあれよという間に話はまとまり、私たちが泊っている宿の手配ツアーではなく、宿が入るビルの2階にあるスルタンという、日本人宿ではないのに、日本人がたくさん泊っているホステルで手配してもらったツアーで1泊2日の旅に行くことになりました。
私たちの宿、ベニス細川家から4人とスルタンから1人の日本人計5人での、全く日程が分からないツアー。
とりあえず、砂漠で寝ること、白砂漠に行けることは分かっていましたが。。。
なぜ、自分たちの宿にツアーを依頼しないのかというと。。。
値段が半額だから。
5人で行けば一番お得な、1人300エジプト・ポンド(約3600円)なり。(税別40ポンド)
ベニス細川家でツアーを手配してもらうと1人7000円です。(でも、スルタンと同じツアー会社を使っているのだとか…)
まずはツアーが出発するバハレイヤ・オアシスにある町、バウィーティまで向かうため、ローカルバスに乗っていきます。
7時のバスに乗車するため、6時20分にスルタンに集合。
が、1人寝坊のため、6時25分に集合完了。
が、バスターミナルまで連れて行ってくれるスタッフが人をせかしておきながら、自分の出かける準備ができておらず。
6時35分、宿を出発。
私たちを待たせたスルタンのスタッフに急かされ、早足でバスターミナルへ。
7時、スルタンスタッフから「あなたたちが遅れたけど、何とか間に合った」と言われながら(しつこくてスミマセン笑)何とか無事バスの出発時間に到着。
本日の日程なんて聞かされることなく、「これからバスに5時間乗る」ということだけ告げられ乗車。
英語がしゃべれない係員が同乗したので安心なのか安心できないのか。。。
元観光バスのとっても古い車両のローカルバス。
満席。
その上通路にまで立ち乗り客が。
座席指定なので、自分の席はあります。
クーラーは・・・たぶん、風はでてます。
カーテンはエジプト人男性が頭に着けてる整髪剤でベトベト。。。
日本にいる間は自分がきれい好きなんて思ったことないのに・・・
渋滞のカイロ市街を1時間ほどかかって抜け、あとはひたすら砂漠の真ん中を突き進みます。
途中砂漠の真ん中で降りていく人がちらほら。
町どころか建物すら見えないのに。。。
なぜ??
走り始めて約4時間。
1度目のトイレ休憩。
また走り始めたバスは、さらに砂漠の中を進みます。
時間がないと言われた本日の日程。
5時間でツアーの起点となる町バウィーティに着く予定が、6時間ちょっとかかって到着。
到着した町のバス停には、このバスに乗ってきたお客を迎えに来たツアー会社のスタッフ、客引きに来たツアー会社の人がごちゃごちゃ。
やっとここで言葉を発した係員に指示され、今日から2日間のガイド兼ドライバーと無事会えました。
ガイドの後を追い、4WDに乗り込み、2,3分走ったところにある、町の中の住宅に到着。
ツアーに出発する前のお昼ご飯をここで食べていくということでした。
ガイド自ら用意してくれたお昼ご飯はこちら。
家庭的なお味でおいしかったです。
ご飯を食べ、ちょっと休憩したら、さっそく出発。
14時、本日のキャンプセットを屋根の上に積んだ、4WDに乗り込み、いざ砂漠ツアーへ出発。
こちらが2日間の車。
初めての2人だけではない旅。
簡単に私たち以外の日本人3人のメンバーを紹介。
まずはカリフォルニアで博士号を取得中の“お姉さま”。
恋する関西人男、“シュウ君”。
体重40キロ、どこでも野宿できちゃう男子大学生“ガンジー君”。
そんな、昨日初めて会ったとっても個性豊かな3人との旅でした。
話は、ツアーに戻り。
町を出てすぐに見えてきた砂漠は“黒砂漠”と呼ばれる玄武岩が露出した砂漠。
鉄を含んだ岩が黒く見えているもの。
ここは明日来るから。
と、時間がないので飛ばします。
ここで、気づいたこと。
ガイド兼ドライバーだと思っていたのは、ただのドライバーさん。
ガイドさんはいません。
なので、今日はどこを巡るかどころか、次はどこに行くのかも案内はありません(笑)
なので、自分から一つずつ質問をします(笑)
しかも、エジプト人なのか疑ってしまうほど物静かなドライバーさん。
車中では、ドライバーさんは一言も発せず。
そのかわりにエジプトの音楽が流れていました。
14時40分。
1カ所目の立ち寄り場所に到着。
自らドライバーに尋ねたところ、ここはベドウィンのカフェということ。
ちなみにベドウィンとは。
砂漠の住人を指す一般名詞で、普通アラブの遊牧民族に対して使うそうです。
外には地下から機械でくみ上げた温泉もどきが。
お湯の温度は30度くらいでしょうか。
とっても鉄分臭い。
その中、シュウ君とガンジー君は匂いなんて気にせず飛び込みます。
その様子を見守るほか3人。
周りはもちろん砂漠。
濡れたままの2人を積んで出発。
30分くらい走ったところで停車。
どうやら、景色がいいところに止めてくれたようです。
(行ったことありませんが)火星の様。
戻って来いと、ドライバーにせかされ、車へ。
砂漠の真ん中の舗装された道を進むと、白砂漠の入口の看板が。
16時10分、白砂漠の入口を入ってすぐのところで停車。
アラビア語で書かれた表示。
英語でも・・・
ガイドブックと照らし合わせてみると、そこがどうやらクリスタルマウンテンというところでした。
一見ただの岩に見えますが、近づいてみると、岩はすべて水晶からできていました。
こんなきれいな岩も。
砂漠にごろごろ落ちている石もすべて水晶。
お土産に・・・と、みんなで水晶ひろいw
ちなみにここはナショナル・パーク。
日本だけではなく、世界の自然公園では何も持ち帰ってはだめなことは承知の上。
念のため、ドライバーに確認すると、快く「持ち帰っていいよ」とのこと。
いいんだ!?いや、ダメだろ!!
その拾ったものは・・・♪
砂漠用の身支度をしたドライバーさんに呼び戻され、次の場所へ。
日がだんだんと傾いてきましたよ!
急に車を止めたドライバーさん。
何をするのかと思えば、タイヤをチェック。
故障??
と、思っていると、ドライバーさんは何事もなかったかのように車に乗り込み発進。
そして急に・・・
舗装されたアスファルトの道から外れ、砂漠に突っ込んでいきました。
なるほど~。
真面目なドライバーさん♪
やっとここで、4WDの威力を発揮し、砂漠の山を下って行きます。
そして、砂漠の上で停車。
ここが、5カ所目の立ち寄り場所でした。
さらさらの砂の砂漠が広がります。
そこを転がり落ちていくシュウ君。
それに続くガンジー君。
写真を撮る私。
3人を置いて、年上な2人を乗せた車は砂漠を駆け下りていきます。
え~~~~。
遠くにポツンと車が見えますか?
超遠い!!!
残された3人は砂漠の下り坂をダッシュ。
走れないって!!!
車に追いついたシュウ君の喜びジャンプw
それより。
このままでは本来の目的の白砂漠にある奇岩群を見る前に日が沈んじゃいます!
時間がないよ。
と、またせかされ車へw
再度舗装された道を走り、お目当ての奇岩群が見えてきたところで、また砂漠の中へ。
17時15、キノコ型の奇岩が立ち並ぶ白砂漠で停車。
こちらが、私が気になっていた白砂漠の景色。
石灰岩が浸食されてこのような景観になったそうです。
日の入りに間に合ってよかった♪
本日のキャンプ場所を目指して、白い奇岩の中を進みます。
あ~~~!
もうすぐ太陽が!!!
というところで、車は停車。
ドライバーさんは右を指して、「あの岩が“マッシュルームとチキン”」。
左を指して「あっちのほうにキャンプの準備をしてくるから、岩を見たら歩いて車のところまで来てね。」と言い残し、車からおろされ、私たちを置いて砂漠の中を行ってしまいました。
・・・
とりあえず、マッシュルームとチキンの写真を日が沈んでしまう前に撮るために、みんなでダッシュ。
だから、走れないって!!!
17時45分、はぁはぁ言いながら、何とか撮れた、
白砂漠に沈んでいく太陽。
マッシュルームとチキンという名の岩。
ほんとはだめだそうですが、知らずにチキンに乗っちゃいました。。。
ほかにもマッシュルームみたいな岩が。
誰かが乗せたような岩。
白砂漠。
なんだか砂漠にところどころ雪が積もっているよう。
暗くなり写真が撮れなくなってきたころ、私たちの青い車をキョロキョロ探すと、とお~くのほうにポツンと。
え??
あそこまで歩くの??
でも、それ以外方法がないので、5人でとぽとぽ砂漠を歩きます。
10分後、意外に近かった本日の“おうち”に到着。
本日は、ここで寝るそうです。
屋根はありません♪
壁は2面に貼ってある布のみ。
その横ではドライバーさんがシェフに変身し、晩御飯の準備をしてくれていました。
砂漠の真ん中のキャンプファイヤー。
私たちはまわりでのんびり。
ここは砂漠。
もちろんトイレはありません。
そこで、役に立つのが、この綺麗な奇岩。
用を足したいときは奇岩の向こうに行って穴を掘って用を足すようにドライバーさんから指示を受けました。
田舎で育った子供のころ。
もちろん、外でしたことはあります。
ダイビングをしていて、(ウェットスーツを脱いでw)海の中でしたことはあります。
でも、大人になって外でトイレをすることになるとは。。。
一応私も女の子です。
初めは勇気がいりました。
なので、今日は1度もトイレに行きませんでした(笑)
20時20分、砂漠の真ん中で作ってもらったディナーはこちら↓
おいし~~~♪♪
おなかいっぱい。
大満足の後は、お隣のキャンピングサイトに移動してベドウィンの音楽ショー。
お隣のキャンプサイトは同じツアー会社のテント付きの豪華バージョン。
キャンプファイヤーの周りで、そのキャンプサイトに泊っているドイツ人グループと一緒に歓談しながら待っていると、
音楽ショーが始まりました。
ちょっと待って。。。
私的には、民族衣装的なものを着たベドウィンの人たちがどこからかやってきてショーをしてくれるんだと思っていたのですが、
歌って踊ってくれているのは、うちのドライバーさんとドイツ人グループのドライバーさん、アシスタント、キャンプサイトに常駐しているスタッフたち。
しかも、Tシャツとジーンズでw
どうやら、このツアー会社のスタッフたちはみんなベドウィンの人たちのようです。
・・・それにしても。
さっきまでおとなしかったうちのグループのドライバーさんが一番はしゃいでます。
そんなベドウィンの人たちのテンションになかなか追いつけない日本人グループ。
なんたってここの砂漠では飲酒禁止。
みんなシラフです。
そんなテンションの私たちに何か日本の歌を歌うようにリクエスト。
・・・
シュウ君が言った言葉を真に受けたガンジー君がおもむろに立ち上がり、
「君が代」を独唱(笑)
砂漠に君が代が響きました。
それを聞き終えたドイツ人グループが、ドイツの国歌を斉唱。
よくわからない宴になってきました。
12時。
まだまだ歌って踊っているスタッフたちを横目に眠くなってきた日本人グループ。
帰るきっかけを見つけられないでいると、急に、
お姉さまが膝の関節を脱臼!!!
これが大事に。
専攻がこっちの方面のお姉さま。
自分ではめようとしますが、うまくいきません。
歌って踊っていたスタッフが、マッサージをしてみてもダメ。
何もできない私たち。病院に連れて行ってあげてと、お願いするのみ。
ただし、病院は2時間ほど離れたところにしかありません。
脱臼してから1時間近く経過した頃、とりあえず、お姉さまを自分たちのキャンプサイトに連れて行こうということになり、お姉さまと付添いの私を車に乗せ、200メートルほど離れたキャンプサイトに向かいます。
その車中。
「ゴキッ」
という音とともに、関節が入りました。
わぁ~~~♪と喜ぶ車内。
キャンプサイトに到着し、車を降り、徒歩で戻ってくる他の3人に向かって、
「はまった~~~~~!!!」と、叫ぶ私(笑)
砂漠ではよく声が通りますw
そんな、内容の濃かった1日。
まだ終わりません。w
横に並んで毛布にくるまり恋バナ(笑)
修学旅行みたいw
まあ、ほとんど話しているのは恋するシュウ君なのですが♪
話をしていると「ゴソゴソ」という音が。
その音は、砂漠のキツネ、フェネックがゴミをあさっている音でした。
ここまで来たら朝日を見よう!と言って、一人が脱落し、もう一人も・・・そして全員脱落で就寝しました。