2011年8月7日 日曜日
朝というかもうお昼になるくらいに起きて、朝食を食べに近くのカフェへ。
このあたりのアンダルシア地方で伝統的な朝食、Tomates con aceite、「トマトwithオイル」(パンコントマテ)を食べました。
名前の通り、焼いたパンにトマトとオリーブオイルをかけて食べるのですが、ちょっとした食べ方があります。
パンにトマトが塗られている状態で出てくるので、フォークを使ってパン全体に穴をあけます。
そしてそれに塩を好きなだけかけ、最後にオリーブオイルをかけます。
塩→オリーブオイルの順は変えてはいけません。
ちなみにスペインのサラダもイタリア同様、特にドレッシングというものはなく、自分でオリーブオイル、ビネガー、塩をかけて味付けをします。
そこで、この3つの味付けをする順番がとても大切なのだとか。
1番目に塩、2番目にビネガー、最後にオリーブオイル。
そして、混ぜるのは3つとも入れてから。
これがおいしくする秘訣なのだとか。
マラガのパパ曰く、オリーブオイルは良くも悪くも膜を張る。
だから最初に入れると他の味付けを野菜につけず、最後に入れるとすべての味付けを野菜につけてくれるのだとか。
これが、とっても大事だそうです。
話は戻り、このシンプルな朝食がとってもおいしい。
朝から油を使うなんて日本人にはちょっと重いように感じますが、絶妙。
ただし、シンプルなだけにトマト、オリーブオイルの味が肝心なようです。
日本に帰ったら、実家のトマトを使って作ってみようと思います。
“完熟”トマトをが秘訣だともパパに教わりました。
さて、今日の観光ですが。
当初の予定ではもう1日グラナダを観光するはずでしたが、
朝食を食べながらしていた会話の中で、
「アルプハラス」という地域のことが出てきて、
いいところだから行ってみよう、ということになりました。
またも、今回グラナダ観光は1日で終了。
車に乗り、その「アルプハラス」へ。
Alpujarasアルプハラスとは。
グラナダの街からも見える、街の南にそびえるSierra Nevadaシエラネバダ山脈。
スペイン南東部アンダルシア地方にある山脈で、最高地点は、3,478.6mのムラセン山。
スペイン語で「雪の多い山脈」を意味します。
ヨーロッパで最も南に位置するスキーリゾート地として、多くの観光客が訪れ、その裾野はグラナダ、マラガなどの都市にも広がっています。
そのシエラネバダ山脈の頂上付近から、南山麓の山腹地帯一角に白い村が点在しています。
その村々は総称してLas Alpujarasラス・アルプハラスと呼ばれており、
Lanjaronランハロン、Pampaneiraパンパネイラ、Bubionブビオン、Capileiraカピレイラの村々からなります。
15世紀、アルハンブラ宮殿が陥落し、イスラム教徒がアフリカに追放された時、一部はここに居残ったとのこと。
彼らの栽培していた段々畑のブドウ、無花果、アーモンドなどはアルプハラスの風物詩です。
車でグラナダから約1時間ほどで、アルプハラスの中で一番低い位置にあるランハロンの街に着きました。
天然水で有名な街です。
ランハロンの町中にあった水飲み場。
みんなで飲んでみました♪
多くの人が容器を持って水を汲みに来ていました。
ランハロンから、中央線のないような細い山道をくねくねと山の上へと登っていきます。
乗り物酔いのする私はグロッキー。。。
約20分ほどたったころ、山の中に点在する白い村が見えてきました。
予備知識ゼロで向かったので、なぜこんなところに村を作ったのだろうと不思議に。
そして、どこか四国で見た元平家の落人の村に似ているなと感じました。
あとで調べてみると、上に述べたように、北アフリカから移住してきたかつての住人ベルベル人の子孫がレコンキスタによって追われて、そしてその伝統を守りながらここで暮らしているとのこと。
見た目だけではなく、歴史背景も似ているようです。
ランハロンから約30分、パンパネイラ、ブビオン、カピレイラの3つの村の中で一番下にあるパンパネイラに到着しました。
アナの友達おすすめの村がここということで、この村を観光していきます。
パンパネイラは標高1085mの地点にあります。
ここアルプハラスは、スペインの中でも最もイスラム時代の伝統を残す地方であり、
スペイン王によりイスラム的、アラブ的な言語、風習が固く禁じられた後にも、
建築・生活様式や食べ物などにその影響を色濃く残しているそうです。
以前訪れたフリヒリアナも白い壁の家々が並ぶ山の中の村でしたが、この村はフリヒリアナと異なります。
それが家のつくりであり、村の中の様子でした。
まずは町の中で湧き水が多用されていること。
飲み水、洗濯用、家と家の間の通路にまで水が流れています。
村の中心にある水のみ場。
この水を飲むと結婚できるそうです。
多くの人が飲んでいました笑
村の中には昔使われていた?今も??共同洗濯場がいくつかあります。
そして、私が一番気に入った風景、通路を流れる水!!
子供はきっと楽しいはず!
地元の子供もここで水浴びしてました♪
家々の壁に沿って伸びる木。
ただの庭木だと思っていましたが、よくよく見るとぶどうの木でした。
各家にはぶどうの木が。
自家製のワインを作るためなのだとか。
多くの家では2階のベランダに藤棚のようなぶどうの葉の屋根がありました。
町の中はまぶしいほど真っ白なのですが、そこにカラフルな色を添えているのが、お土産屋さんの絨毯。
ここ特有の織物らしく、さわり心地が柔らかいです。
お土産用としてだけでなく、実際この村の家庭で使われています♪
ほしかったのですが、送るには大きすぎるので断念。
そして色を添えているのは絨毯だけではなく陶器も。
かわいい!
その他にも花々が青い空白い家と合って色がいっそう鮮やかな感じがします。
“白”の村には何でも似合ってしまいます。
服やさんもショーウィンドウ要らず☆
すべてのものがかわいく見えちゃいます。
小さな村は車が入れないような細い道、そして山の斜面にあるので、坂道ばかり。
観光コースに沿って歩くと上ったり下ったり。
山の上でもグラナダと同じくらい暑く、街中の冷たい湧き水が最高でした。
驚くほど冷たい水。
村の端から山の斜面を見上げるとそのほかの2つの村が見えます。
分りづらいですが、右の村がブビオン、左の村がカピレイラです。
その奥にある山の頂上にはまだ雪が残っているのが見えます。
ここの冬の様子を想像できますか?
私はこのパンパネイラの村も含めすべてが雪に覆われると思っていたのですが、日本ではちょっと信じられない光景になるようです。
もちろん山の上は雪に覆われますが、カピレイラの村より下は、夏より濃い緑色の山の斜面が広がります。
信じられません。
アントニオいわく、冬の景色が一番きれいなのだとか。
お土産やさんで見つけたポストカード。
このアルプハラス特有のエントツ。
隣の家と渡り廊下のようなものでつながっています。
色んな歴史を持ったこの白い村がとっても気に入りました☆
グラナダからバスが出ているので、まだまだ有名な観光地ではないスペインならではの場所が見たいという方にお勧めです♪
今日のランチはこのパンパネイラの村で、伝統的なものをいただきました。
飲むと結婚できるといわれている水のみ場の上にあるレストラン。
まずはMigasミガスという伝統料理。
ミガスは「パンくず」を意味し、元来残り物のパンまたはトルティーヤを使用した料理だったそうです。
英語表記のメニューには「クスクス」と書いてありました。
確かに似ていますが、小麦粉を湯がいたものがクスクス、炒めたものがミガスだそうです。
ウサギの肉の煮込み。
味はチキンのような感じでおいしい。
見た目ほど味は濃くなく、臭みもないのでとっても食べやすかったです。
そして、ジャガイモ炒めのハムのせ?
黒いソーセージはモルシーリャと呼ばれる、スペインでは有名な豚血の腸詰めです。
中には香辛料・豚血・米が入ってます。
血が入っていると聞くと、ちょっと食べる気がなくなるかもしれませんが、これが臭みもなくおいしいのです。
すべておいしく頂きました。
ちなみに、この村の近くのTrevelezトレベレスというところはハモン(生ハム)の生産が有名な村で、その村の近くのここパンパネイラの村の中にもいくつか生ハム販売の看板を見かけました。
そして村の中は生ハムの匂いがしますw
パンパネイラを見終え、もう少し山を登った先にある、ちょっと変わった湧き水と滝を見せてくれるというので、さらに細い山道を車で20分ほど。
Portugosポルトゥゴスという村に着きました。
ここには鉄分を多く含む水が湧き出しているところがあります。
とっても体にいいということで飲んでみましたが。。。
鉄分を多く含むどころか鉄の味しかしません(泣)
アナと私はすぐにガムをかみました(笑)
ちなみに炭酸が入っていてシュワシュワしています。
5つ並ぶ水の出口はすべて味が違い、1番左が一番ましで、相方がチャレンジしている一番右が一番鉄の味が濃いです。
この水飲み場から少し下っていくと緑に囲まれた場所にこの鉄分を含む湧き水の滝がありました。
他の場所より数度温度が低く、気持ちのよい場所でした。
これで今日のドライ分観光は終了。
山を下り、そしてアントニオにお礼を言ってさよならし、マラガのおうちに戻りました。
ぜひ、スペインを旅行する際、時間に余裕がある方はアルプハラスを訪れてみてください♪