2011年9月29日 木曜日

朝7時。
車掌さんのモーニングノックで起きました。

昨日の夜8時半、夜行列車に乗りギザの駅を出て、アスワン駅を目指しています。
2泊5日の弾丸旅、2日目です。

まだ寝ぼけている中、朝食が出てきました。

こちらが朝食。
パンだらけ(笑)

準備を整え部屋でのんびりしていると、車掌さんがあと10分で到着するよ。と教えてくれました。

8時45分。
約12時間の電車の旅は終わり、Aswanアスワン駅に到着しました。

こんな電車に乗っていたようです。

ホームで待っていると係員が迎えに来てくれ、駅から徒歩1分のホテルに連れて行ってくれました。
ここアスワンでの宿はNuva Nile Hotelヌーバ・ナイル・ホテル。

まずは今後の日程を係員から丁寧に説明を受け、そして午後の観光までお部屋で休憩。

お部屋。

観光開始は午後2時から。
思ったより弾丸ではありません。

観光前に腹ごしらえ。
と、ホテルの2軒隣にあるコシャリやさんに行ってみました。

コシャリは、エジプト人の定番ごはんらしいです。
街角でよく売られているコシャリは、はパスタ・ご飯・豆・ひよこ豆のフライ・オニオンフライなどにトマトソースをかけたものです。

大サイズで10エジプト・ポンド(約120円)でした。
ただし、この値段は観光客料金。
エジプト人を始めとするアラビア人には現地値段があります。
この観光客料金、エジプトを旅する間すべてのものに適用されます。
ジュース1本、水1本から。
ひどいのは観光地の入場料。
また、それはあとで。。。

もう一つのご飯。

10分かかるよと言われたのにすぐに出てきたパスタ。
私たちが頼んだのは本当にこれなのか!?

午後2時、ガイドさんを乗せたバンがホテルまで迎えに来てくれ、観光に出発。
今日はカナダ人の女子大生、アルゼンチン人の男性、スイス人の男性、そして私たち2人の5人のグループでした。

本日の半日観光は、アスワンハイダム、フィラエ神殿(イシス神殿)を見に行きます。

まずはアスワンハイダムへ。

アスワン・ハイ・ダムとは。
ナイル川の氾濫防止と灌漑用水の確保のため1901年、アスワンの町のすぐ南にアスワン・ダムが建設されました。
しかし、アスワン・ダムだけでは力不足であったために、当時のエジプトのナセル大統領がソ連の支援を受けてアスワン・ダムの6.4km上流にアスワン・ハイ・ダムを国家的事業として計画を立てられました。
その後計画が中断したり、資金不足に陥ったりしながらも、1970年に完成しました。

アスワン・ハイ・ダムの完成によって、毎年のように起こっていたナイル川の氾濫を防止するとともに、12基の水力発電装置が210万キロワットの電力を供給。
ダムにより出現したナセル湖から供給される水は不足がちの農業用水を安定させ、砂漠の緑化も行われました。
その一方で、ナイル川の生態バランスを破壊したなどの批判もあるそうです。

途中アスワン・ダムを横切りながら、アスワンの町から車で約20分。
アスワン・ハイ・ダムに到着。

入場料を払い、ガイドさんの説明を聞きます。

ハスワン・ハイ・ダムの南側には大きな湖ナセル湖が広がっています。

ナセル湖とは。
ナイル川を堰き止めるアスワン・ハイ・ダム建設工事の結果としてナセル湖が出来上がりました。
1960年代には水位の上昇に伴って約9万人の大規模な移住プロジェクトが必要となったそうです。
また、水没した地域には18の歴史的な寺社・教会がありました。
ヌビア遺跡のアブ・シンベル神殿をはじめとする遺跡群は、当初そのまま水没させてしまう計画でしたが、国際社会からの反対の声が強くユネスコの援助で巨額の費用をかけて湖畔に移築されました。

移築されたのはアブ・シンベル神殿だけではなく、アスワン・ダム建設時から水没していたフィラエ島のイシス神殿や、カラブシャ神殿、アマダ神殿、ワディ・セブアなど10個ほどの遺跡が水面上へと移設されています。

そうなんです。
これがあの有名なアブシンベル神殿を移設させる理由となったダムと湖なのです。

アスワン・ハイ・ダムは全長3,600mありますが、観光客が歩けるのはわずかな距離だけ。

アスワン・ハイ・ダムの上から遠くに、アブシンベル神殿同様に、移設されたカラブシャ神殿が見えます。

アスワン・ハイ・ダムの北側。

右のほうに水力発電の施設が見えます。

余談。
その1。
このダムができたおかげで?ダムより南にはワニがいっぱいでも、北にはワニはいないそうです。
水力発電のタービンで粉々にされるからとガイドさんは言っていました(笑)

その2。
アスワン・ハイ・ダムの建設にはギザのピラミッドの17倍の石が使われているそうです。

その3。
よーく水面を見ると、石についている水跡から、水位が下がっていることがわかります。
その理由はナイル川の上流(つまり南のほう)で新たなダムが建設中で、そのせいで水量が減っているそうです。

写真ではよくわかりませんが、ダムより北のナイル川の両側には白い家がたくさん建っています。
これはヌビア人と言われる、昔からこのあたりに住んでいた人たちのお家です。

そんなに時間をかけて観ることもないので、ダムの観光はあっさりと終わり、次のフィラエ神殿に向かいます。

フィラエ神殿(イシス神殿)は、アスワン・ダムの建設によって水没していたところを移設された神殿です。
この神殿はアスワン・ダムとアスワン・ハイ・ダムの間にあるフィラエ島という島に建てられているので、アスワン・ダム横のボート乗り場からボートに乗って向かいます。

ボート乗り場。
バスが到着するとお土産売りが近づいてきます。
私たちは完全に無視です。。。

ボートに乗っていざフィラエ島へ。

ボートで約10分。
アスワン・ダムの上からも見えていた神殿が建つ小さな島、フィラエ島に到着。

フィラエ島は元々、アスワン・ダムの建築以前は現在のフィラエ島の東側にありました。
1980年、ユネスコの手により隣接するアギルキア島に遺跡が解体移築され、この新しいフィラエ島と呼ばれるようになりました。

現存する遺跡は、古代エジプト末期王朝(紀元前6~4世紀)から、プトレマイオス朝(紀元前4~1世紀)の時代に建てられました。

このフィラエ島は、オシリスの妹であり妻でもあるイシス女神がホルス神を生んだ場所として、聖地でした。
そのため、ここにはイシス女神を祀るイシス神殿が築かれました。

「ナイルの真珠」と称えられたイシス神殿は、550年頃ローマ帝国により閉鎖されるまで、古代エジプトの信仰が残った最後の神殿でした。

船を降り、少し上った先には神殿前の広場と列柱があり、その奥に堂々とイシス神殿が建っています。

列柱。
パピルスはナイル下流域の下エジプト(北)の象徴、パピルスと、ナイル上流域の上エジプト(南)の象徴、蓮の装飾がされています。

ただし。。。
どちらが蓮でパピルスかなぞ。

私的にはこれは蓮に見えるのですが、ガイドさんはパピルスだと説明してくれました。。。

ここで。。。気になる人のために。
古代エジプトでは無数の神々が信仰されており、遺跡のレリーフなどにその姿が多々登場する。
さまざまな神話がある中で、オシリス神話ご紹介します。
王であったオシリスは、弟であるセトに嫉妬のため殺される。

オシリスの妹でもあり妻でもあるイシスにより1度は復活するが、再びセトに殺されに死体をばらばらにされた。
ナイル川に流された遺体をイシスが拾い集め、オシリスはミイラとして復活した。そして2人の間に息子ホルスが誕生した。

復活したオシリスは冥界の王となり、その一方で、自身の遺児・ホルスをイシスを通じ後見して、セトに奪われた王位を奪還。
これをホルスに継承させることに成功。以降、現世はホルスが、冥界はオシリスがそれぞれ統治・君臨することとなった。

なかなか理解しづらい神話ですが、この話が少しでも分かっていると、エジプトの遺跡に描かれているレリーフがさらに興味深くなります。

私は前回、初のエジプトにしかも添乗員として来ていたので、まったくレリーフの意味が分かっていないというか、そんな余裕がなかったのですが、今回改めて、神話を少し勉強し、ガイドさんの説明に合わせてレリーフを見ていると、とっても興味深かったです。

イシス神殿の第1塔門。
紀元前に建てられた神殿の、壁に彫られたレリーフがこんなきれいに見えるなんて感激です。

真ん中の入口の両隣りがイシス神。頭の上に、日輪と牝牛の角や椅子(玉座)を載せています。
右のイシス神の右側にハヤブサの頭を持つ、イシス神の息子ホルス神が描かれています。
ちなみにこのホルス神は、天空の神。ファラオはホルス神の地上での化身とされたそうです。

第1塔門を抜けると目の前には第2塔門と、左側に誕生殿が見えます。

誕生殿の7本の柱が並ぶ列柱の上には、ホルス神の妻であり、愛と幸運の女神ハトホル女神の顔のレリーフが彫られています。
ガイドさん曰く、この7つの顔は若干違っているそうで、それは妊娠して出産する過程の妊婦さんの顔を7つの顔で表しているそうです。

第2塔門のレリーフ。
右側のファラオが真ん中のホルス神、左のイシス神に生贄を捧げるところだとか。

第2塔門を抜けると、列柱室があります。

その中の柱にはこんな後から掘られた印が。

コプト教の十字架。

エジプトで発展したキリスト教の一派、コプト教。
エジプトの各地の神殿はこのコプト教が広がると、コプト教の教会として使用されることが多く、多くの神殿や葬祭殿にはその形跡が見られます。

列柱室の奥が至聖所です。

列柱室から至聖所にかけて、壁、天井、柱いたるところにレリーフが彫られています。

このレリーフたちがとっても素敵。

右側の羽根を持った女神がイシス女神。
イシス女神の羽根で守られているのがオシリス神。

もっともっとレリーフの意味が知りたくなります。

フィラエ島に建つ遺跡はイシス神殿だけではありません。

愛の女神、ハトホルに捧げられたハトホル神殿。

イシス女神の休憩所、トラヤヌス帝のキオスク。

ガイドさんの説明をざっと聞き、自由行動。
ぐるっと見学して、トラヤヌス帝のキオスクの裏にあるカフェで待ち合わせでした。

このカフェから、元のフィラエ島の場所が見えます。

水面から木のようなものが出ている場所が、元の位置。

またまた、余談。
神殿から地面の石まで解体されて移設されたフィラエ島。
その証拠が島のいたるところにあります。

番号の書かれたボルト。

フィラエ島の観光を終え、またボートに乗ってバスに戻ります。

そして、ホテルまで送ってもらって、これでアスワンの半日観光は終了。
所要時間は約3時間でした。

明日は、アブシンベル神殿に向かう日。
アブシンベル神殿に行く人のほとんどが経験する早起きの日です。

ホテル出発は3時半(もちろん朝)。

早めに寝るため、早めに晩ご飯を買いに出かけました。

アスワン駅の横から始まるスークをひたすら歩いてみましたが、お土産屋さんばかり。

駅まで戻ってきて、駅の近くで見つけた串焼き屋さんで、晩御飯を購入。

ひき肉を鉄の棒に巻き付け、ソーセージ状にしたものを炭火で焼いて、アエイシというパンにはさんだもの。

カメラで撮っていい?と合図すると、手を止めて・・・

満面の笑み・・・
食べ物の写真が撮りたかっただけなんだけど・・・。

焼けたお肉をパンにはさんで終了。

ホテルに持ち帰り、晩御飯に。
味は。。。お肉!!

明日は3時起き。
寝過ごしませんように!!

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